パリ旅行1日目 ガラスの家見学

3月13日(金)
朝8時半出発のユーロスターでパリへ。2時間半ほどうとうとしていたら昼12時到着(一時間時差がある)。
Liege駅そばにあるホテルにチェックイン。ビジネスホテルといった感じ。
フラフラと市内を歩いて昼ごはんを食べ、コーヒーの美味しさにビビる。イギリスのコーヒーとは比べ物にならない。15時半にパリの建築事務所に勤務しているMTOさんと合流し、ピエール・シャロー(Pierre Chareau)設計のガラスの家(Maison de Verre)の見学へ。ちなみにここは一般公開されていないので、事前にメールで見学を予約する必要がある。予約のメールアドレスなどはこちらのサイトに書いてあるので興味がある方は読んでください。ちなみに入場料は40ユーロと非常に高額ですが、その価値はあります。
How to Visit the Maison de Verre in Paris | Untapped Cities

表示されたアドレスは普通の住宅街の扉の前で通り過ぎそうになったが、アメリカの大学から来た建築ツアーの人達がたむろしていたので分かった。時間ぴったりに扉が開き、ツアーガイドの女性に案内されて中庭に入るとお馴染みのこの景色。

うーん格好良い。壁全面をガラスにした住宅というのはこれが世界初の試みのようで、工場の床の為に作られたガラスブロックを垂直方向に転用したそうだ。ちなみに黒い細いフレームは改修で加えられたもので、もともとはコンクリートで作られていたとのこと。裏庭に面したファサードは屋根で守られているので現存しているが、正面のファサードは風雨によってガラスもコンクリートも痛んだ為全面的に作り直しているそうだ。

ガイドの女性はパリの大学で博士課程に在籍しており、このガラスの家のトイレ周りのデザインについて論文を書いているので当然非常に厚い知識を持っている。赤痢など疫病が蔓延していたので、床を全てラバーで仕上げて水洗いができるようにしていたなど、家が建てられた20世紀初頭の歴史的背景や、シャローの生い立ち、当時の交友関係など交えて面白く解説してくれた。

一階は医者であったクライアントの診療空間、2階がリビング、3階はベッドルーム、横にお手伝いさんの部屋という構成。個人が所有する住宅なので残念ながら内部は撮影禁止だったが、素晴らしい空間だった。メインリビングルームは全面ガラスブロックで外への視界が全くないので、やや閉塞的な空間なのかなーと予想していたが、書斎を通して裏庭の緑に対して視線が抜けているので圧迫感はほとんど感じなかった。こういう細やかな配慮はやはり写真で見るのではなく実際に体験してみないと分からないな。

(ネット上の画像を拝借)

90分ほどの濃密なツアーを終え、静かな光に満ちた住宅を大満足で後にする。MTOさんは仕事へ戻り、僕は夜まで気になっていた建物を駆け足で回る。


スイス通りのアパート/Herzog & de Meuron
ここは中に入れなかったので評価は難しい。外から見ただけじゃ建築の本質は分からん。


Pathé Foundation/Renzo Piano
建物全体のツアーが土曜の夕方にあるのだが、僕が連絡した時はすでに一杯で参加できなかったのでギャラリー部分のみ自分で見学。ディテールは相変わらず綺麗だったけど、これはちょっと自己満足な気がする。最上階のオフィス部分が一番見所だと思うがそこに入れていないので最終的な評価はできないけど、あまり好きじゃない感じ。ギャラリー部分には外見のダイナミズムはほとんど反映されてないし。

一旦ホテルに戻り、坂事務所近くで落ち合う為にポンピドゥーセンターへ。何度見てもぶっ飛んでいる。建物本体だけでなく前面の広場も含め、これはちょっと次元の違う格好良さ。

20時半くらいに合流し、MTOさんおススメの可愛いレストランで美味しいgaletteとサイダーを頂く。仕事のことや将来のことなど話して24時くらいに解散。