働く

11月になってしまった。光陰矢のごとし。
朝は昨日に引き続きクーリングタワーの収まりのスタディ。3Dと模型で造形的にこれ以上は高さをあげれないって形を探し、図面に落とす。なんとかこの大きさに収めて頂きたい。
昼過ぎにシティに出向き新しいPossible jobのミーティング。またもマスタープランニング。アーバンデザインのマスターやってたときは都市計画なんて二度とやるかって思ってたのに、建築事務所に来て2つもやることになっている。でもまあまだ建築的に扱える範囲なので楽しくできる。20時ごろ解散。くたくたになりバスで家に帰る。

帰路バスに乗っていると、St Paulの前でキャンプをしている集団を見る。そういえば少し前に、ロンドンでも職の無い若者がウォール街を真似して抗議としてキャンプしているのだと聞いたことがあった。

「働き先が無いなんてのは、本人の努力が足りないからだ」なんていう人が多い。勿論中には怠惰な人もいるだろうけど、でもそれはあまりにも無神経な言葉だと思う。少なくとも僕は絶対に言えない。

僕がマスターを終えたのが2008年の秋で、まさに超不景気が始まったところ。求人しているところなんて一切無く、それどころか某有名建築事務所が何百人を解雇したとかいったニュースばかりだった。そんな中、たまたまa+uの作品を見て応募してみた今の事務所だけがインタビューに呼んでくれたのだが、面接が終わった数日後に「仕事がキャンセルになったので採用できないことになった」と言われた。でも他にすることもないので、せめて経験にはなるだろうと思ってタダ働きをしていた。一生懸命やっていたら幸い気に入って貰えて、仕事もチョビチョビ増えたので、最終的にはちゃんと雇って貰えたけど、あの時期は辛かった・・・。お金がなくなったので、もうちょっとでパン屋さんで働くところだったもの(パン屋さんはもともと憧れなので、ちょっとやってみたかったのだけど)

働く先がないってのは本当に苦しい。社会に必要されていないってことだから。
でもああいうどん底を一回経験しておくと後から強いとは思う。少なくとも、無神経な言葉を吐くクソジジイにはならなくて済むだろうし。