朝からやる気なし男くん。体の一部に穴が開いて空気が抜け続けているような感じ。
体調自体が悪いわけではないので単純作業ならできるのだが、運悪く丁度ボスが帰ってきたので変更点が沢山あり、デザイン面の改良をしないといけない。まあデザインの変更っていったって、可能性が見えるまでひたすら線を引き続けるだけなのだが、「絶対見つけたる、やったるぞ」っていう気力がない。こんなんじゃ駄目だなーと思いつつもダラダラ線を引いただけで何の発展もなく一日終了。給料泥棒とはこのことだ。お話にならない。

とはいえすでに齢28を数える私、こういう気分の時の解決法は分かっている。映画か本。
HMVを覗いたけどピンと来る映画がなかったので、今日は本にした。古本屋に寄り、読みやすくて楽しいのがないかと探すと、大槻ケンヂのグミ・チョコレート・パインのグミ編を発見し迷わず購入。自分の好きな作家の自伝小説が面白くないはずがない。ワクワクしながら読みはじめると、やはり最初っから最高に面白く切ない。自分も含め、華やかでない青春を送った男性諸君なら誰でも共感するであろうエピソードばかり。切なく笑った後、ほっこりと勇気がわいてくる。

僕が生まれたのは83年なので、Widows95が大ブームになりネットが普及し始めた時には12歳。丁度中学生になるくらいということを考えると、もしかすると僕らは自分の手で震えながら例の本を買った最後の世代くらいになるのかもしれない。それ以降は何でもネットで手に入っちゃうもんな。僕は山口のクソ田舎の生まれで、地元の本屋は知り合いがやっていたりしたので、汗を流しながら自転車を漕ぎ山を越えて隣町まで遠征し、しかも「罰ゲームに負けたんだよ、仕方ねえなぁもう」というフリをしながら震える手で(裏面にしながら)ある種の聖書をレジに出したものだった。既に時代遅れなのかもしれないけど、でもこういう体験って人間の成長にとって大事な気がするんだよなぁ。まあきっと、Web2.0世代には異なる青春のあり方があるのだろう。いずれそれを描く作家も出てくるだろうから、どんなものか読んでみたい。