大阪2

翌朝はホテルで朝食。自家製の米粉パンで、もちもちで仄かに甘い。実に美味しいパンだった。それから電車で京都方面へ出かける。JR山崎駅下車。大阪から20分くらいなのにかなり田舎でびっくり。かつて天下分け目の戦いが行われたとは思えないのどかな天王山の山道を歩いて大山崎山荘美術館へ。

大正から昭和にかけての実業家、加賀正太郎によって建てられた別荘で、その後荒廃していたものを1996年にアサヒビールと地元の協力のもと美術館としてオープンとのこと。加賀が遊学していたイギリスの家を参照したというハーフティンバーの建物で、大正ロマンを感じる。しかしハーフティンバーではあるが実際の構造はRCらしい。2階のテラスからはオーナーが愛したという木津・宇治・桂川という3つの川が合流する景色がみえる。優雅な気分でそこのカフェで休憩。可愛い模様のティーカップはイギリスの有名なメーカーのものらしい。この建物は安藤忠雄が改修し、新館も設計している。現在第二新館も工事中だった。

安藤氏の新館は地中に埋まっており、本館から繋がるガラスの廊下部分のみが地上に出ているという印象。そこから庭園を正面に眺めながら階段を下っていくと地中の展示空間へ繋がる。円形の展示室にはモネの睡蓮が何枚もかけてあった。RCの壁の穴の中にはねじが入っており、そこに金具をねじ込めば絵が吊るせるようになっている。思ったより小さな作品だったけど、安藤らしい演出がなされた良い建築。大阪から少ししか離れてないのに田舎の風情があり、地域の雰囲気もすごく良いので、大阪の方は是非一度訪ねてみてください。

JR山崎駅前には千利休が実際に手がけたもののなかでは唯一現存している茶室(国宝)があったのだが、どうも個人所有のようで見学は一月以上前に葉書で申し込まないといけないらしい。残念。
大阪に戻り、新しくなった梅田の駅ビル10階にあるレストランで遅めの昼食。おいしい鉄板焼きを頂いた後、新幹線で山口へ。駅まで母が迎えに来てくれて9時半ごろ実家に着く。