動くべきか動かざるべきか、それが問題だ

日曜日、盛況のうちにKINETICA ART FAIRのSHARISHARISHARI展は無事終了しました。まあ僕は手伝ってただけなのだけど、仕事の締め切りとかぶってかなり大変だった・・・。けど終わってみると色々な出会いがあったし、自分の技術的にも今までできなかったことが少し出来るようになったのでとても良かったなぁと思う。何より、皆でワイワイものを作るのは本当に楽しい。

今回展示したものは、要約すると「知性のある建築」のあり方を模索した作品達。それぞれ異なるインプットによって異なる反応を示す模型を5つ作った。難波さんがTakさんのブログで「建築が動くことについては懐疑的」と仰られていたが(2012-02-07)、しかし僕達も必ずしも100%動く建築を信仰しているわけではないと思う。これは個人的な意見だけど(というか個人的でない意見などないが)、とりあえず僕自身は建築は本当は動かない方がいいと思っている。というのは、動くことで解決できる問題も多いだろうけど、一番スマートな建築は動かなくても問題を解決できる建築だと思うので。一番単純な例でいうと、ブラインドを可動させることで日差しをコントロールすることもできるけど、何も動かさずとも建築の形自体が夏に日差しを遮り、冬に部屋に光が差し込むようにデザインされている方が、よりスマートだと思う。

ただ、単純に「動かない建築の方が好き」って言うのはちょっと抵抗がある。下手をすると「ゲニウス・ロキ」とか呟いている怪しげな神秘主義者達とごちゃまぜにされてしまう気がするので・・・。

たとえばシミュレーションソフトは驚くべき速さで進化していて、現段階でも光の計算であれば手軽にほぼ完璧にできるようになっている。これに風の動きや湿度の状況がきちんとシミュレーションできるようになったら、自然環境のシミュレーションはかなり正確にできるように思う。僕はそれらの技術を使いながら「いかに動かずに済む建築をデザインできるか」ということに興味があるのです。最終的に実現するものは極力簡素でローテクな方が良いと思っているけど、設計に使われる技術やインプットは極力ハイテクであるべきだと思う。それにまあ設計云々よりもまず、新しい技術や考えは常に学んでいきたいと思っている。

そういう点でも、「動く建築というのはどういうものがあり得るのか」というのを考え、実際に作品を試作し続けている堀田さん達を手伝えたのは大変勉強になった。言葉で遊ぶのは誰だって出来るが、それを形まで持っていける人はそういない。そして彼は打ち上げの場でもシモネタ全開だった。あそこまで下品な道化を演じれる人もなかなかいない・・・そんな彼の今のブログのタイトルは、ずばり「うんこ」です。お疲れ様でした。

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