理を料る

我が家のゲスト用のエアーベッドに穴が開いたようで、朝起きるとボンちゃんはソファーで寝ていた。どうも我が家で保存しているOtaくんの作品に使われていた虫ピンにエアーベッドが当たって穴が開いた模様。彼に賠償請求をせねばならん。10ポンドくれろ。

朝一のミーティングは昨日に引き続き剣呑な感じ。ボスは案の抜本的な変更を求めるが、僕は方向は間違っていない思うので反対する。しかし現在の案にどうも純粋でない部分があるのは確かに僕も感じるので、それを探すということでとりあえず決着。他の仕事の様子を見ながら色々と実験を続け、20時ごろに作った模型で少し方向性が見えた気がしたので帰宅。

家にボンちゃんが作りかけのまま残していったキャロットスープがあったので、Meimeiと一緒に鶏肉、きのこ、ストック(固形だし)などを放り込む。結構美味しくなったが、キャロットスープというよりカレーに近い。

食後に観た日本料理人の山本征治さんのドキュメンタリーが面白かった。料理は「理(ことわり)を料(はか)るもの」という信念のもと、自前の実験室を持ち、化学実験のようなことをしながら料理を研究している。昔見た陶芸家の青木良太さんも、釉薬の配合を僅かに変えながら何通りも焼いてみて、不思議な輝きを出せる配合を見つけていた。芸術は本質的には科学ではないと思うが、科学的な手法をとることで作品の精度を高めることはできる。なんだか元気付けられた。