オーセンティック「らしさ」

またサボってました。
先週末は伊藤君の送別会でKings Crossのパブで昼から飲む。一旦日本に帰った後、ブラジルで働いてみるとのこと。活躍を楽しみにしています。

増築の現場は着々と進んでいる。家はこんな感じの場所。庭が直接運河に面しており、僕達はその庭にガラスの箱を作っている。もう少し空間がみえてきたら写真上げます。

水曜はVampire Weekendのライブ。チケットが結局一枚余ってしまったのだけど、会場であっさり売れて良かった。とても可愛くて楽しいバンドだった。

昨日(15日)は早めにあがってRocco Yim氏のレクチャーに行ってみた。香港をベースに数多くのプロジェクトを動かしている建築家だが、国際的にはそこまで知られていないのではないだろうか。場所がセントマだったというのもあるだろうが、中規模のレクチャーホールで観客は1/3程度も入ってなかった。僕もほとんど予備知識なしに行ったのだが、プロジェクトの規模の壮大さに驚かされた。自分にとっては特に新鮮なコンセプトやデザイン手法を学べるというわけではなかったのだが、ダボダボのジャケットを着た小さなRoccoさんが、簡単な言葉で丁寧に説明する姿勢にとても好感を持った。

質疑応答でとある学生が「先ほど建築のアイデンティティの話をされたが、香港、中国の建築家は、どのようにすれば建築における「中国らしさ」のようなアイデンティティを確立できると思うか。日本やスイスのように」といった質問をした。

Roccoさんの答えは「私には日本やスイスの建築に確立したアイデンティティがあるかどうか、良く分からりませんが、とりあえず私は「中国らしい建築」をつくりたいとは思っていません。なぜなら「中国らしい建築」を作ろうとした時点で、それはオーセンティックではなくなるからです(つまりフェイクになる)。ただ、設計の際私は敷地や周囲の状況からデザインを考えます。そしてそのコンテクストは、その場所、その町、その国でしか起こりえない状況だと思います。丁寧にその条件に対応したデザインをすれば、結果として「その街らしい」ひいては「中国らしい」建築が立ち上がるのではないかと思います」といったものだった。丁寧で分かりやすい。

レクチャーが終わってから、会場だったロンドン芸大のひとつセントラル・セント・マーティンスの新校舎(Stanton Williams設計)を一巡り。中央に大きな吹き抜けのFoyerがあり、大きな開口のあるスタジオがそれを取り囲んでいる。廊下を歩くと学生がスタジオで製作している様子がみれて楽しかった。でも大きなコンセプトは良いと思うけど、表層の意匠はあまり好きじゃなかったな。どういう空間を目指しているのかあまりはっきししないように感じてしまった。昔の倉庫を改修、増築した建物だし、僕だったら現代デザイン発祥の地であるアメリカの工場などのリファレンスを使い、もっとラフな仕上げにするかな〜。まあ横から見る分には好きなことを言えるけど、実際やるほうは色々制約があったのだと思うが・・・


(Stanton Williamsのサイトより拝借)

全く関係ないけど最近ネットでインディーズのバンドを色々聞いてて、自分の備忘録も兼ねて気になってるバンドを貼っていこうと思います。今日は「さよなら、また今度ね」