帰国記 前半

随分ご無沙汰です。日本に帰ってました。大変楽しかったです。
面白すぎて長いので、まずはクリスマスから山口への帰郷までを書いてみました。

12月25日
ロンドンのクリスマス当日は、地下鉄もバスも電車もすべて止まる。昼前起床し大掃除。僕は正月休みで帰国するが、僕の不在中にショムションが使用するのでできるだけ掃除しておく。とはいえもともとボロいので気持ち程度にしかならないが。。。

夕方自転車でかつて住んでいたwillow houseへ。ロンドンを北から南に縦断する旅で、一時間ほどかかった。堀田さん、いつかちゃん、徒歩でやってきたこみさん、それから旅行で来ていたクマくんと鍋を囲む。初めて会ったクマくんはドイツの大学に留学中で、あまりに周囲に何もない田舎なので自分で日本酒の製造をはじめたそうだ。僕もやってみたいところだが。朝3時くらいに帰宅。

12月26日
ほとんど寝ず、朝5時に迎えのタクシーがやって来る。まず僕が乗り込んでからchalk farmに向かい、takさんとクボcをピックアップしてヒースローへ。クリスマス後の早朝なので全く車はおらず、ずいぶん早めに空港へ着いたので皆で朝食を摂る。まずtakさんが、次に僕、最後クボcの順で出発。出発前にmeimei経由で頼まれた荷物も受け取れた。

前夜殆ど寝てなかった僕は爆睡し、起きたら経由地のパリに到着。パリの天気は素晴らしく良く、すでに気分がよくなる。久々に利用したシャルル・ドゴール空港は色々とデザインされていて驚く。建築家が空港を手がけることがあっても、デザインを管理できるのは外枠のみで、インテリアはかなり残念な場合が多いのだが、ここはきちんとコントロールされている。オレンジジュース一本が4.5ユーロには目玉が弾けるかと思ったが。

ロビーで同じぼったくりジュースを飲んでいたTakさんと合流し、いよいよ日本行きの飛行機へ。機内では映画「奇跡のりんご」を鑑賞。青森の農家がボロボロになりながらも、不可能とされた無農薬のりんごを栽培するという実際にあったストーリーを映画化したもので、なかなか良かった。あとはひたすら眠る。眠りすぎて食事を逃しそうになったくらい寝た。

12月27日
朝9時ごろ関空に無事到着。takさんに「日本で会うのは始めてですね」と言われたが、そういえばそうだ。変な感じ。空港まで迎えにこられていたtakさんのご両親に挨拶してから僕はお暇する。郵便局で荷物を送ってから電車へ。

なんばでスーツケースを預けてから狭山池にある安藤忠雄の民族資料館へ。日本最古と言われるため池のそばにある展示空間だが、池自体へ眺望があるわけではなく、堤防脇の地下空間に完結した空間を作っている。たしかに池の周囲は雑多な開発がされており、正直眺めたいとは思わない醜い風景だった。安藤は池を眺めるかわりに敷地内で完結した人口の水盤と落水の演出をしていて面白かったが、落水部分はやはり老朽化が激しく色々考えさせられた。とはいえ内部は安藤らしい厳格で綺麗な空間。良い建築だと思った。

夕方市内に戻り、少し時間があったので吉野家の牛丼。基本的に帰国第一食は牛丼にしている。うまし。しばらく大阪市内をぶらついてからやまちゃんと待ち合わせしている駅へ。構内に到着すると、丁度夕食を一緒に食べることになっていたカナちゃんとバッタリ会う。予定より早く仕事が終ったのでビリヤードでも行こうかと思っていたらしい。格好良いなぁ。5分ほどでやまちゃん到着。3人で僕が今夜泊めて貰うやまちゃんの新居へ。僕も間取りを描くのを手伝っていたのでなんとなく空間はイメージしていたが、実際に立ち上がったものをみるとちょっとした感動があった。築20年くらいのアパートを買い取り全面改修をしたもので、部屋自体は実はそんなに大きくないのだが、とても広がりが感じれる素敵な家だ。

荷物を置いてから、夕食まで少し時間があったので近所の立ち飲み屋へ。サラリーマン2人はぐいぐいとビールをあけていく。かんちゃんも合流し、2,3杯飲んでから地下にある居酒屋「すまっしゅ」へ。しばらくしてえりさん、キシが合流。キシは会社の忘年会上がりで、すでにかなりベロベロだった。極めてジャパニーズな美味しいものを色々食べながらビール、日本酒をたらふく飲む。なのにお会計が何かの間違いじゃないかと思うくらい安かった。

それからスパニッシュ・タパス・バーに移動し今度はワインを飲む。しばらく飲んでいるとAndo事務所に勤務しているAndoくんが仕事終わりに来てくれる。やはり色々大変なようだが、楽しんで頑張っているようで頼もしい限り。12時ごろ解散だった気がする。かんちゃんは僕が持っていくのを忘れたプレゼントを受け取りにやまちゃんの家まで来て、リビングで皆でさらに日本酒(獺祭)を飲む。かんちゃんは翌日仕事だというのに遅くまで付き合ってくれたので、タクシー代くらいは先輩が払ってやろうとタクシーに乗り込む彼女に3000円を渡したが、あとから「格好付けすぎ!多すぎです」と怒られる。はて、多くは無いはずだがと思ったら、どうやら一万円がまざっていたようだ。そんな酔ってたつもりはなかったのだがなぁ。万札は返してください(格好悪いことこの上ない)。

12月28日
朝9時頃目がさめる。昨夜結構なペースで飲んでいたやまちゃんはグロッキー。家で皆でテレビなどをみながらゆっくり過ごし、15時ごろやまちゃんと一緒に人が芋を洗うように蠢いているデパ地下でお土産を物色。試食して実に美味かった甲南漬けを購入。

新幹線に乗って18時ごろ福山へ。駅でミキティー、ノゾと合流。広島からやって来た高橋君の車で出発。自信満々に細い道を高速運転していた高橋君の車は一回墓地に突っ込むというアクシデントもあったが、無事に三好君の実家のレストランへ。

荷物を2階のリビングに置いてからレストランに入る。しばらくお酒を飲みながら歓談していると、最寄り駅まで電車で来てからタクシーを拾う予定だったオカポンが震えながら到着。駅は無人駅でタクシーの影もなく、結局極寒の中歩いてきたらしい。最後のお客さんが帰った後は貸切状態で、シェフのお父さんの作る絶品料理が次々運ばれてくる。もともとここで僕と高橋君と三好君でしっぽり飲む予定だったが次々に参加者が増え、大阪からやまちゃん、宇部からノゾ、長崎からミキティー、東京からオカポンが集まるというプチ山大同窓会になった。楽しいことこの上ないと思ってたら、サプライズの発表が2つも続く。めでたいことこの上ない。三好君の婚約者のまさみさんも合流し一緒に飲む。三好君も高橋君も、是非新婚旅行は英国へ来て頂きたい。朝3時か4時くらいまで散々騒いでから皆リビングのこたつで雑魚寝。僕はオカポンに蹴られ続けていた気がする。

12月29日
ヤマちゃんとミキティーが新幹線に乗るので朝9時頃起床。つられて僕らも起床。写真をみたら自分で撮った記憶のない写真が一杯撮られてたり(高橋君の下半身とか)、僕のフェイスブックのプロフィール写真が勝手に変えられてたりした。30になっても悪ふざけのレベルが全く変わっていなくて嬉しい。レストランは丘の上に建っており、朝の街の景色を楽しみながらご両親の作る美味しいサンドイッチとコーヒーの朝食を頂いていると、ようやく起きてきた三好君の顔がひどすぎて皆爆笑。完全に人を殺したことのある顔だった。

2人を見送ってから僕達は高橋君の車で温泉へ。ここに本当に温泉があるのかというような辺鄙な山奥に突如現れるヘンテコな温泉。3年前に来て以来だ。久しぶりの温泉で気持ちよかった。湯から上がり、休憩所でコーヒー牛乳を飲みながらしばし休んでいると、高橋君が手ぬぐいをギュウギュウ丸めだす。何をつくるのかと思ったら、妙にリアルな男性器ができて皆驚愕+爆笑。飲み屋のお姉さんから教えて貰ったらしい。さすがに写真の掲載は控えておく。学生時代と全く変わらないこんな彼も家庭持ちになるのかと思うと、何だか感慨無量だ。

一旦レストランにもどって手伝いのある三好君を降ろし、僕らは家の裏にある城山へ。ホントに大丈夫かというような細い山道を登ると一気に視界が広がる。佐賀田城(あるいは相方城)という城で、頂上にはテレビ塔が建ってしまっているが、かなり本格的な石垣があって驚く。もともと中世の山城だったのを毛利家が大規模改修して直轄していたようだ。周囲を散策するもとにかく寒く、30分ほどで撤退。

レストランに戻り昼食までご馳走になる。予約で一杯の中、僕達のために席を一つとってくれていたようで、ありがたいやら申し訳ないやら。勿論美味しい。

食事が終った頃にテイシ(妹)が車でやってくる。今から大阪に向かい、大阪で同窓会なのだそう。オカポンはそちらに参加すべくテイシと一緒に去っていった。じゃー僕らも帰ろうかとなるが、車の落書きを高橋君がやたら恥ずかしがるため急遽洗車。埃まみれだったので僕と三好君で落書きをしたのだ。良い落書きだと思ったんだけどな。

高速で一時間ほどかけて広島へ。将来のことなどポツポツと話す。市内を抜け、最近の高橋君のお気に入りスポットである宇品へ。綺麗な海が見渡せる海岸にお洒落な店がぶ素敵な場所だった。

広島駅まで送ってもらい解散。ノゾは新幹線、僕は山陽本線(鈍行)で帰る。20時ごろ柳井駅に到着。迎えに来てくれた母の車で祖父の家へ。じいちゃん、おばちゃん、父母と僕の5人で夕食。