土曜といえばShari3

朝9時に目が覚めるが、昼過ぎまでゴロゴロする。13時過ぎに家を出てカフェでブランチ。それから徒歩でAAへ。夏のような気候で、公園は人でごった返している。今日のSharisharishariには久々にマツオさんが来られていた。

新たにShari3の先生に任官したマルちゃんのカンガルー講座。といってもポケットのあるカンガルーではなくRhinoのプラグイン。物理エンジンと呼ばれるものの一つで、彼はテンセグリティのモデルを組んでバネによる動きをシミュレーションしていた。皆より感嘆の声。まだマルちゃんも勉強中のようだけど、これは相当使えそうなソフト。

それから派生して堀田卿よりgenetic algorithmとFitness landscapeの概念について説明を受ける。
遺伝的アルゴリズム(genetic algorithm)は生物の世代交代による自然淘汰をモデル化したもので、交配をモデルにした交差(2つの親の遺伝子の入れ替え)を何パターンか行い、そこで生まれた子供の中でクライテリアに対し最も適合するものを親として残し、また次の世代を交差させる、といった操作を延々と繰り返すもので、これによって目的にとって最も相応しい個体を自動生成させようという考え方らしい。デザインの世界にも使われていて、例えば新幹線のN700系のフロントノーズの設計にはこのシミュレーションが使われたとのこと。

ここで生まれてくる「最適な形状」というのは一つではない、というのを示すものが適応度地形(Fitness landscape)。実際の世界では目的が一つではなく複数の評価指標があるので、最適な形状というのはいつくかの山と谷があるランドスケープのような分布を示す。例えば新幹線の場合は風の抵抗を少なくするというのが第一の目的だけど、同時に作りやすさ(素材、製作期間、コスト等)も考慮しないといけない。だからどのパラメーターを重視するかによって最適な形というのも変化していくということだろう。N500系は風の抵抗を抑えるべく鼻が尖がっていたけど、このままどんどん尖って行くのかと思いきやN700系ではヨッシーみたいな顔になった。多分あまり先端を伸ばしすぎると、風の抵抗は最小に出来ても他の目的に適わなくなるのだろう。
(間違いがあったら教えてください)

マツオさんは最新の課題を見せてくれる。エンジニアリングの色の強い作品を製作しろとの課題だったらしいが、彼は自転車が好きなので、自転車のホイールの歪みを自動感知し、自動で直してくれる機械を作ろうとしていた。ちょっと間に合わなくて直すところまではいってないが、自動感知して歪みの度合いをArduinoにデータとして取り込むところまではできていた。建築系の人ではまずできないし、やりもしないであろう方向の作品なので大変興味深かった。僕は自転車のホイールがワイヤーのテンションの調節で真っ直ぐなっているってのも始めて知った。Meiri氏は知っていたようだが。流石はロンドンで自転車を何度も買っているエキスパート。彼は今日早速新しいホイールを注文したらしい。

コンペの打ち合わせをしてから晩御飯は居酒屋Yoishoへ。美味しく飲んで外に出ると様子の明らかにおかしいオッサンがいたので、最後に会計をしていたTakさんを見捨てて皆退避。Takさんも無事に逃げ切り、何事も無く解散。
家で映画サッド・ヴァケイションを見る。かなりヘンテコだけど面白かった。見終わってから調べると、青山真治監督の北九州三部作の第三部らしい。先に1,2部を見ればよかった・・・。