曇りだったり雨だったりの日々。あと寒い。

6月も半ばだというのに寒い。長袖どころか常にジャケット着用。

6月12日(水)
一日敷地模型を作る。昼はクライアントとのミーティングがうまくいって上機嫌のボスに誘われ5人ほどでPrinciでランチ。模型の樹木の中に、たまたま接着剤が泡を含んだまま固まっているものがあったのだが、彫刻家であるクライアントはそれを発見して「これなに!?チョー良い形じゃん!」と興奮していたらしい。たしかに不思議で美しい形の泡だった。一流の芸術家は形をつくる技量だけでなく、美しいものを発見する能力に長けているということだろう。

20時にあがり帰宅。夜はNZプロジェクトを考える。一案浮かぶ。コンセプト(言葉)としては結構良いと思うが、実際使うことを考えると破綻が生じまくる。想像力と勇気は持ちつつ、実践的にまとめてみたいものだが・・・。この案の元ネタは自分が学生の時にやったプロジェクトなので、考えていると学生の頃の気分を思い出して暗鬱とした気分になった。辛かったなーあの頃は・・・。

なんで辛かったか考えてるに、「生き残らねば」という危機感が強かったからだろう。設計でご飯を食べていくというのはなかなか大変で、特に僕は地方の無名大学の出身だし、実家も別にお金持ちではない。親戚に建築家もいないのでコネクションも無い。なんとか自力で這い上がらないと、巷間で垢にまみれて死んでしまうんじゃないかという切羽詰った危機感を常に持っていたように思う。紆余曲折はあったが、とりあえず今は自分のことを信用し、デザインを任せてくれるボスのもと、生活に支障が無い程度の給料は保証されている。将来的な危機感は勿論今でもあるが、学生の頃のように身を切るような切実な痛みを伴うものではない。いやーよかったよかった。もう二度と味わいたくないものあの気分は。とか言ってると数ヵ月後に路頭に迷ってたりして・・・


6月13日(木)
一日スタディ。普通に良いものは何案か思いつくのだが、どうも面白みに欠ける。思い切ってジャンプした案を作ってみたが、これは多分予算から考えると高すぎるだろうなー

6月14日(金)
朝からスタディ模型をバリバリ作る。ようやくエンジンかかってきた感じ。夕方に方向性の異なる案を4つほど揃えてボスとミーティング。ジャンプ案はやはり予算がかかりすぎるだろうということで却下。僕は恐らく一生持ち得ないであろう額の予算なのだが、ロンドンで大きな住居を作るとなると潤沢とは言いがたい。Low Budgetのプロジェクトのつもりで考えて、無理をしないやり方で極力良いものにしようということに。でもけっこう光る要素がみつかったので、来週はそれを発展させてみる。

20時前に中華街にてTakさんとご飯。New Port Ctという小さな通りにある店で、毛主席の安っぽい肖像やプラスチック製のとうもろこしなんかが釣り下がってるチープな内装だが、飯はうまい。食後は静かな場所に行きますかということで、Cafe RoyalのCafeへ。ケーキ一つ15ポンドとかしないよねとドキドキしながら入ったけど、全然普通の値段でした。週末の市内は鬼のように込んでるので、ゆっくりしたいならホテルのバーやカフェは狙い目です。カフェラテの容器はガラスの二重構造で、保温性もあるし可愛かった。これ欲しいな。