食われるにせよ

6月21日(金)
19時前に仕事を片付け、NZプロジェクトのスタディを少々。どうも納得いかないが、とりあえずスケッチを描いて印刷し21時前にUCLへ。イギリスの建築学校は年次の最後に全学年が一同に作品を展示するSummer Showという展示会を行うのだが、今日はバートレットのSummer Show開催日なのだ。相変わらず人が多く、バーや屋台も出るお祭り騒ぎ。華やかで楽しいけど、歳をとってくるとなんだかちょっと疲れるな・・・

展示会場は入場規制がかかって長蛇の列になっており、やめようかなと思ったけどまあ折角来たしと思い入場。丁度藤井さんと大橋さんがいたので一緒に会場を巡る。毎年同じだが、どう考えても変な学校だと思う。僕にはこれが正しい建築教育だとは思えない。が、魅せよう、伝えようという熱意は圧倒的。人の多さと電子機器からの熱だけでなく、作品から出てくる怨念みたいな熱にぐったりなり、サラッと流して退場。中庭でビールを呑みながら知り合いの方々とご挨拶して歓談。僕は22時半ごろに切り上げ帰宅したが、夜中まで宴は続いたようだ。

6月22日(土)
朝11時からNZメンバーはHCLAへ集まりミーティング開始。まずはNZ在住で、ラジオのDJなどもされているナオコさんにスカイプでインタビュー。街の様子や問題点など、現地の方からみた意見がいただけて大変勉強になった。小休憩を挟んでからそれぞれのスタディを話し合う。自分としてはあまり自信が無かったのだが、思ったより皆が興味を示してくれたので次回はこの案を発展させてみることに。全体でプレゼンに向けた方針を立ててから終了し、16時前にようやく通常のShariへ移行した頃にはもう疲労困憊。でも充実感はある。遊具(?)のジョイントのスタディなどしてから19時ごろ解散。

皆でタクシーに分乗しBELSIZE PARKへ。改修をしていたダニエルの新居が完成したのでお祝い、かつSakiさんの送別会兼誕生日会。大変良い場所にある綺麗で広いフラットだ。美味しく料理やワインを頂きながらコンフェデ杯を観る。日本戦も少し観ていたが、観るに耐えなかったので主にブラジル戦を観ていた。夜になるとダニエルがカラオケのチケットを購入し残酷な天使のテーゼを歌い始める。いやこれは、日本人はともかく欧州の人は訳がわからんだろう。なんだか微妙な空気で誰も次曲を入れない。僕はこういう場面では妙な責任感とサービス精神を持っているので、率先してOASISなど歌ってみるも、当然空気は変わらない。ワインをがぶ飲みしてヘベレケになって深夜3時か4時に徒歩で帰宅。

6月23日(日)
朝9時頃一旦おきて、わりと深刻な二日酔いに見舞われていることに気づくも時すでに遅し。吐き気と頭痛に苛まれ寝ることもできず、トイレとベッドを往復しながらひたすら時が経つのを待つ。地獄。夕方ようやく回復。うどんなど食す。二日酔いになる度に「もう深酒はしない」と思うのだが、今まで何度誓ったことか・・・

6月24日(月)
木曜がミーティングなので朝からスタディを頑張る。22時帰宅。
村上春樹さんが去年新聞に書いたエッセイを今頃知って読んでみた。長い時間をかけてようやく健全で等価なものになってきたアジアの文化交流が領土問題によって停滞してしまうことを憂慮して書かれたものだ。僕も領土問題に関しては「まあ落ち着けや」って思っている。日中韓、どこの国の人も一回自分の国から出て他の世界をみてみたら、いかにしょーもない事で争っているのか分かると思うんだけどな。

この文化的・歴史的同胞に対する歪んだ暴力的な感情って、いじめに似ているように思う。さかなクン准教授が言ってたけど、メジナを水槽の中に入れるといじめが起こるらしい。いじめていた魚を他の水槽に移したら、また他の魚がいじめ始めるのだと。でも大海を泳いでいる群れにいじめはないという。大海原では仲間内でいじめ合ってるどころではないのだ。協力しながら泳がないとすぐ死ぬからね。

水槽でいじめに怯えながら生きるより、いずれサメに食われて死ぬにしても、大海原を泳いでいきたいものです。