コンペ提出

12月12日(木)
金曜の昼にコンペの提出なので、基本的に今日中におわらせておかないといけない。昼過ぎに外回りのイメージが完成。ストリート全体を描くイメージにはできなかったのでSectional diagramで全体構成を示す。内部のイメージはモデリングを僕が終えた後、レンダリングはMに任す。最後まで色々厳しい状況だったけど、深夜になんとか終了。ボスにメールでプレゼンボードのドラフトを送信し、朝2時ごろ帰宅。

12月13日(金)
朝9時に出社すると既にボスが来て作業していた。基本構成は全てOKだけど、内観イメージの密度を上げるためフォトショを開始。ボスが花瓶やラグなどのイメージをネットで拾ってきて、僕がそれを合成していく。10時半頃に完成し、印刷してフォームボードに貼り付け完成。袋に入れてタクシーに飛び乗り、締め切り30分前の11時30分ごろに主催者の会社に到着し無事提出。帰りはゆっくり歩いて12時すぎに事務所へ戻ると、ボスが「おつかれさま、今日はもう帰っていいよ」と言ってくれる。嬉しいプレゼント。

何か普段出来ないことをしたいなーと思いつつも、結構疲れていたので美術館とかを巡る気にもならず、結局F&Mで帰国時のお土産を買ったりしてからRIBAの本屋へ。Sizaの最新のエルクロを購入。事務所にもあるのだけど、この人の作品集は一生使うと思うので手元に置いておきたい。もうヨボヨボのお爺ちゃんなんだけど、歳をとるほど自由に、格好良くなっている。17時ごろ帰宅しゴロゴロする。

揉めに揉めているオリンピックスタジアムについて、審査員の一人だった内藤さんが自分のサイトで声明文を発表していたので読んでみる。自分の責務を転嫁するような安い詭弁に満ちた内容でガッカリ。一番尊敬している建築家の一人なので、こういうことは言ってほしくなかったなぁ。一々上げ足を取っても何も生まれないのでやめておこうと思ったけど、ひとつだけ唖然としたことを言っていて憤りを覚えたのでそこだけ書いておく。

「ザハはソウルでも大きな美術館が進行中で、あまり東京のスタジアムを叩きすぎたら彼女はこのプロジェクトに対する情熱を失い、二流の作品が出来てしまうのではないかと危惧している。客を座敷に呼んだ以上、最高の仕事をさせてやるのが客を呼んだ主人の礼儀ではないか」という内容の一文があったのだが、これには驚いた。

周囲から何を言われようと動ずることなく、自分の作品を最後まで情熱をもって仕上げるというのは、建築家に限らずものづくりに携わる人の根本的な責務ではないか。批判されたくらいで自分の作品に対する情熱を失うような設計者なら、それは作品以前に設計者が二流ということだ。そして彼女を呼んだのは我々ではなく、審査員であるあなた方だ。皆の責任のように言わないで頂きたい。