いつの間にか一月経ってしまった。なんだか早いなぁ。

2月始めはベネチアに出張。木金土で敷地を調査し、ローカルアーキテクトに挨拶したり。町全体が世界遺産であるベネチアでの仕事は規制がかなり厳しく、できることは限られている。同じ環境の中で名作を作り続けたスカルパは一通り見ねばなるまいということで、図書館の中庭とCastel Vecchioの2作を見学してきた。まあすごかった。いちいち書き出すときりがなくなるのでやめておく。とりあえず、建築の設計に携わる人は一度は彼の作品を訪れてみたほうが良いと思う。


2月8日の土曜日の夜にイギリスに帰って、一旦帰宅した後すぐに外出。クイーンズウェイのパブで開催されたコミサンの送別会に出席。人望のある方だけあって大勢の人が集まっていた。

アラヤさんの自宅に移動しての2次会では記念品としてコミサンの名前入りのモンブランのペンをプレゼント。有志を代表して僕とTakさんでモンブランのお店まで出向いて買ってきたのだが、店にあるのはどれも素晴らしいペンばかりで感動した。かなり高いけど、線を引いて生活している身としてはいずれ一本持っておきたいペンだ。ちなみにその2次会で僕は泥酔してしまい、アラヤさんの家でワインを床に、ビールを電源ソケット近くにひっくり返した上に、それを拭こうとして何故かサモサを床に塗りつけるという暴挙を行ったようだ。いやはや申し訳ない・・・

翌9日は案の定二日酔い。夕方まで寝てから外出。せんごくさんが誘ってくれたピナ・バウシュの公演に行ってみる。伝説的に有名なchoreographer(振り付け家)の率いていた劇団なので一度は見てみようと思ったのだが、なんと4時間に渡る公演だった。様々な出来事が同時進行でおき続けるという難解でカオスな流れで、疲れが溜まっていた僕は途中で何度か眠りに落ちてしまった。何を伝えようとしているのか理解は出来なかったが、でも最初から最後までとてもヘンテコで強い美しさがあるのは感じた。

2月14日の金曜はUCLの同級生ショムションが遊びに来たので仕事上がりにKirazuで夕食。ショムションはその数日前に博士課程の最後の口頭試験を終えて、細かい修正をしてからの再提出を求められはしたものの、無事に博士となったのでお祝いに美味しい日本酒を飲む。修正と言うのがちょっと長過ぎるので短くまとめないといけないとのことなので、「どれくらい長いの?」と聞くと、「かなり削ったんだけど、それでもまだ700ページあるんだ」と。途方も無い分量だなぁ。。。

翌15日の土曜はTakさんに誘われて、昼からプリムローズヒルでTakさんとMROさんと昼食。MROさんは勤めていた日本の建築会社を辞めてから世界を旅行中で、メキシコを経てからイギリスへ来たところ。これから中東を回ってくる予定らしい。海外の建築や就労事情のこと、旅行など色々お話しする。バレンタインデーが近かったということでチョコまで頂いてしまい恐縮。食後に3人でRAでやっている話題の展示SENSING SPACEを観る。著名建築家が「SENSING SPACE」をテーマにインスタレーションを作るという企画で、なかなか面白かった。歴史的建造物を使った展示なので、同じような環境での戦いを求められている僕としては空間演出面での勉強もしたかったが、あまり住宅レベルで使えそうなアイデアはなかったなぁ。

18時ごろにMROさんと別れ、僕とTakさんはCamdenへ。Takさんの友人の研究者・さくらいさんとそのご友人の方達の6人でスペイン料理。サングリアを飲みながらさくらいさんの研究分野
である素粒子の話に唸り続ける。科学の最先端の話だが、僕からするとほとんど神話のような話に聞こえる。世界の最小要素である素粒子を研究することは、実は世界の最大要素である宇宙を研究することと同義なのだそうだ。原始よりも小さいミクロの話から宇宙の果て、その始まりについてなど、たとえ話を交えながら面白くお話してくれる。食後はパブに移動し、また素粒子の話を聞きながらビールを傾け、唸り続けることとなった。建築ってちっちぇぇなと思った。

2月22日の土曜はShariがあったのだが、コミサンのコンペのお手伝いで忙しく不参加。夕食だけ合流。さくらいさんがプレゼンしてくれたらしく、皆「素晴らしかった」と絶賛していた。聞き逃したのは実に残念・・・。四川料理のBARSHUで夕食。食後にBarに移動しても、男衆はさくらいさんを中心に素粒子の話で興奮。宇宙について考えると男子は皆興奮するようだ。