モダニズムを感じる

今日も気持ち良い晴天。朝10時頃起床し、メールや読書など。13時過ぎに徒歩でハムステッドへ向かう。イギリスで公開されている数少ないモダン建築の住宅、2 Willow Roadの見学するのだ。14時前に到着したが、管理しているナショナルトラストの人に聞いたところ14時からの見学はもう一杯になっているので、15時のスロットになった。近くにある素敵なパブFreemasons armsでビールを呑みながら一時間ほどゆっくりし、再びWillow Roadへ。モダニズムの建築家Erno Goldfingerがデザインし、その死まで住み続けた住宅だ。(室内は撮影禁止だったので、写真はNational Trustより拝借している)

まず入り口隣の小さな部屋でドキュメンタリー映像を観て、Goldfingerとその家族、住宅の概要について学んでから室内へ。エントランスホールの奥には螺旋階段があり、その手すりは紐でできている。(当然時間がたつと緩むので、家族は数年ごとに締めなおしていたようだ)

まず最上階のベッドルームエリアへ。夫婦寝室、パーティションがあり3部屋に分けることの出来る子供室、それからゲストルームというシンプルなつくりだが、天窓が効果的に設けられており明るい空間だった。

階段を降りて2階へ。ここにはスタディ、リビング、ダイニングがあるが、とにかくスタディ・ダイニングが気持ち良かった。写真ではあまり分からないかもだけど、全面ガラスの大開口から道の向こうの公園の緑が目に飛び込んでくる。浮遊感のある素敵な空間。

大満足で外へ出る。同じナショナルトラストの管理するFenton Houseまで徒歩で向かう。こちらはより英国の伝統的な大邸宅で、広く綺麗な庭が良かった。まあ時代が違うので同じ土俵で評価はできないのだが、空間のクオリティは全くレベルが違う。こっちはフワッとする感じはなかったな。

駅近くまで歩き、先週と同じパブHorseshoeにて住宅に関する座談会。各自住宅をひとつ持ち寄って簡単に説明しようという企画で、まずTakさんよりアドルフ・ロースのミュラー邸について。伝統的な様式の持つ意味性を一切排除し、抽象的な空間のつながりによる建築を実現したモダニズム初期の名作。その建築の抽象化・非物質化を極端に推し進めた現代の例として、僕は広島の建築家・小川晋一さんのミニマリストの家を紹介。時間の都合で今日は2例だけだったが、どんな住宅を持ち寄ったとしてもなんらかの繋がりは論じれるので、なかなか面白い企画かもしれない。そのままパブで夕食を食べ、21時頃解散。

夜は買ってきたWillow Roadの本を読んだり音楽を聴いたりする。