霙が降る

つい2週間前は20度近くまで気温が上がっていたのに、ここ数日ロンドンは極寒です。今日なんか息が白いどころか、とうとう霙が降った。気候の激変のせいか日曜から体調が非常に悪い。熱や頭痛は無いので出勤はしているが、終業時間になると眩暈のするような疲労感を覚える。月曜にコミサンの送別会があったのだが、とても楽しく過ごせる状態ではなかったので欠席させていただく。

仕事は新しいプロジェクトの敷地模型が終わり、案出しに入る。楽しい時間。とはいえこれだけではなく他にも雑用を色々こなす。西ロンドンの住宅のテストレンダリングにコメント入れてVisualizerに送り返したり、カムデンの増築の照明のスイッチに問題が見つかり、色々電話したり。LED照明のDimmer(明かりの強弱を調整できるつまみ)の小さいのが見つからないのだ。スイッチとライトというのは相性があるらしく、僕達の使っている照明に合うDimmerはあまりなく、コントラクターが困っているのだ。一つ見つけてくれたが、無駄にでかいのでそんなものは使えない。一個しかないなんて馬鹿なことがあるかと思うので、明日も諦めず探してみる。

そういえば、今週始めのニュースは坂茂さんがプリツカー賞を受賞したことだった。元々はミニマルな作風の建築家だが、世界的な評価を受けているのは安価で簡単に取り扱える紙管を使った建築を開発し、寄付を募って実際に世界中の地震の被害地に赴き復興住宅を作っている点だ。

作品集の最初の紹介文がブラッドピットだったりと、色々とマーケティングがうま過ぎるのでややキナ臭いイメージもあるが、しかし偽善も善のうち、というか、まったき善などこの世に存在しない。彼が本心にどんな意図を持っていようが、彼の建築は数千、数万人の生活を事実として救っている。崇高な行為だ。金持ち相手にしょーもない玩具を作って偉そうなフリしてる人は見習うべきだね。僕も含め。