朝9時半に現場に向かっているとコントラクターのHから電話。僕としては昨晩電話で「明日のhalf past nine(朝9時半)に現場で会おう」と連絡したつもりだったのだが、彼は何故かquarter to nineだと思ったらしく、8時40分くらいからずっと待っていたようだ。僕の言い間違いなのか彼の勘違いかは分からないが(恐らく前者だろう)、理由はどうあれ彼の時間を無駄にしてしまって申し訳ないので平謝り。Hは「まあそういうこともあるさ笑」とクールで大人な態度。

現場で問題点を話し合ってから、センターのもう一つの現場にVanで向かうというので同乗させてもらう。道中の世間話でいつ日本に帰るのかと聞かれたので、僕が「いつか帰りたいとは思うけど、なかなか決心がつかないんだよね。もともと2,3年だけいたら帰ろうと思ってたのだけど・・・」と言うと、「俺と同じだね。俺も最初にロンドンに来た時は2,3年働いて小金を貯めたら帰ろうと思っていたのだけど、いつのまにか30年が経ってしまったよ」となり、彼の故郷の北アイルランドの話などを聞く。小さい頃は盛んだった漁業も今では廃れ、海も廃棄物ですっかり汚れてしまっている。小さい頃はロブスターやクラブがいくらでも捕れたのだが、今は殆ど捕れないとのこと。世界中どこでも同じ状況だ。僕達は本当に進歩しているのだろうかって感じだなー。

今日はまず敷地のPlanning Historyを漁る。ロンドンで建築を建てる際は基本的に必ずPlanning Applicationという景観面の審査を通らなければならないのだが、過去数十年に渡る膨大な申請は全て区役所にストックされており、その大部分はオンラインで調べることが出来る。大抵のアプリケーション場合、平面、立面、断面という基本図面だけでなく、この案がいかに周囲の環境に配慮しているのかを証明する為に、その地域がどのように発展してきたのかといった歴史的な書類や、現状と建築後の光の分析、交通量のインパクトなど多くのサポート資料が一緒に提出されている。それを読むだけで大変な労力だが、これ以上ない勉強になる。夕方からスタディを再開し、一案作る。

少し早めにあがり、出張でロンドンに来ているミワさんと久々に再開。外見は学生の頃と全く変わらないけど、いつの間にやら外資系のベンチャー企業の偉い人になっているようだ。元気に活躍されているようで何より。韓国料理を食べながら四方山話をしてから電車で帰宅。