Nothing To Lose But Your Head

ここのとこベネチアを中心にロンドンと台湾と中国のプロジェクトを軽く看ている。マルチタスクなのはいつものことなので慣れてるけど、自分が主にやってるベネチアの仕事をクラックできてないのでストレスがひどい。自分の力の無さにイライラしながら家と会社の往復。

水曜は仕事を19時過ぎに終えて20時前にカムデンにてセンゴクさんとTakさんと合流し、劇場を改修したとても面白いライブハウスKOKOにてJohnny Flynnのライブ。英国の若手フォークミュージシャンの中では相当有名な人だけあって、とてもクオリティの高い良いライブだった。

ライブの後は3人で近くのピザ屋で遅い夕食。一見綺麗なのだけど、宿命的なチープさが漂うインテリアに相応しく胡散臭い味のピザだった。建築の資格についてなど色々話す。

木曜の夕方にボスに悪戦苦闘中のベネチアのスタディをみせながら話をしていると、そのうちの一つにボスは何か感じるものがあったらしく「ちょっとこの図面借りるよ」と僕のスケッチを持っていってしまう。一時間ほどして「これどうよ」と僕の図面に上書きしたスケッチを持ってくる。見た瞬間に「これはいける」と感じた。美味しいところを持っていかれた感じでちょっと悔しいが、やっぱこの人才能あるわ。自分たちがずっと考えていたことがようやく形になり始め、厚い霧が晴れていくような感覚。一旦コンセプトが確立されると、それを基盤にどんどん形が溢れてくる。楽しいとかじゃなく、ひどく興奮する。この瞬間があるから設計はやめられんなぁ。

金曜は昼までゴリゴリとベネチアのスタディを進めていたが、昼食後に締め切りギリギリのコンペのExpression of interestを出すかどうか話し合い、とりあえず準備してみることに。日本はどうなのか知らないけど、こちらのオープンコンペは2ステージ制が多く、まず最初にExpression of Interestといって自分達の過去の作品をまとめたものと、「なぜ僕たちがこのプロジェクトに相応しいか」を書いた書類を送る。そのうち5,6チームが選ばれて第二ステージに進み、そこで初めて具体的な建築を提案することになる。第一段階ではデザインは一切必要ないので、コンペの案出しにかける時間を節約できるという意味では良いシステムだけど、毎回求められる書類や様式が違うのでこれが意外と大変。統一したスタンダードを作ってくれたら良いのだけど・・・。結局要綱をチェックすると必要書類がいくつか足りないことが判明。月曜が締め切りなので恐らく間に合わないなということで、結局応募を見送ることにした。時には「やらない」という判断も必要だ。週末返上かと思ってたけど、この判断お陰で土日とも休めることになった。ちょっと残念だけど、仕事は山積しているのでゆっくり休んで来週もしっかり戦いたい。


数ヶ月程前からSpotifyという音楽視聴ソフトをPCとi padに入れてよく聞いている。どういうシステムなのか良く分からないが、とりあえずある程度メジャーなミュージシャンの曲はだいたいCDと同じクオリティで聴けて、しかも無料(広告が15分に一回程度入るが)。日本のミュージシャンの曲は殆ど無いので日本では流行っていないようだけど、こっちの人は大抵これで音楽聴いてます。しかも凄いのが、自分の過去に聴いた曲から好みを分析し、「こないだ聴いたこのミュージシャンが好きなら、このバンドも好きかも?」とSuggestionを出してくれるのだ。洋楽好きの人は是非使ってみてください。どんどん新しいミュージシャンが見つかります。

ちなみに最近の僕のお気に入りはNYのバンドAugustines。シンプルで力強いメロディーだが、どこか悲しくて格好良い。