エンドレス締め切りからの旅行計画

イースター休暇でウェールズに旅行行ったりしたのだけど、次から次に締め切りに追われておりブログ書けてません。4連休だったイースター休暇も最後の月曜は普通に出勤だったし、火曜のミーティングが終った2日後にAさんとのミーティングがあったりして、先週は毎日朝2時とかまで仕事だった・・・。

しかし今週も金曜に締め切りがあるのでなかなか忙しい。こんなペースで健全なデザインができるとはあまり思えないのだが・・・まあ仕方ない。僕はしがないサラリーマンだ。

ミーティングを重ねる度に思うのだが、デザイナーにとって人の意見を聴く能力は当然重要なのだが、同時に人の話を聞かない能力というのも重要だ。多くの人から多様な意見を聞くこと自体は有益ではあるが、それに全て答えようとするとデザインが破綻する。全員が100%満足する完璧な提案など存在しないのだから。あるとしてもそれは平均化・均質化され、面白みの無いデザインになってしまう。だから本当に大事なのは、人の意見を聞きながらその中で自分にとって役に立つ情報だけを掬い上げ、あとは全て「ハイハイ」言いながら聞き流すことだと思っている。

芸術的側面を持つ仕事をする際に重要なのは、周りの意見に流されずに自分の中にある井戸を深く掘ることだろう。自分の表面に見えているのは僅かな水だとしても、それを深く掘り下げていくと大きな水脈に繋がる。その水脈はどんどん広がり、最終的には多くの人と繋がっていく。僕達人類の共有する原風景というやつだ。そこまで到達できた作品は傑作といわれ、時代や国籍、人種を超えて多くの人を感動させる。人の本当の共感を呼ぶには、人の意見を聞くのではなく、自分の奥を掘り続けることが大事なんだろうなということだ。「何かよく分からないけど、これは良い」と思えるものが一番良いものだ。言葉に出来るものなんて薄っぺらいものでしかない。

紛いなりにも彼らと同じ土俵にいる以上、最終的にはそういうところを目指したいものだが、今は穴を深くするどころか、掘っても掘っても横の土が崩れてきてしまうんだよなー。

賽の河原で石を積むような作業をしているような気分なので、傑作をみて気分を一新すべく来月半ばにベルギー旅行を計画している。ベルギーの現代建築はそんなに有名でないので、建築の人で日本からわざわざ行く人はあまりいないと思うけど、結構面白い建築家がいるのです。今回の一番の目標はHans van der Laanの修道院を見ること。日本にはボクサーだった建築家がいるけど、この人は建築家かつ僧侶という異色の経歴の人物。大学で建築を専攻した後に僧侶となることを決意し、祈りの日々の合間に宗教建築をいくつか残した人だが、その代表作であるAbdij Sint-Benedictusbergを見てみようと思っている。あとJuliaan Lampensという建築家のKapel Onze-Lieve-Vrouwというチャペルもゲント郊外にあるのでそちらも行ってみる予定。かなりマニアックで渋い旅になりそうだ笑