ベルギー旅行2日目

朝9時起床。家のキッチンでお湯を沸かしてお茶を入れていると大家さんが起きてきたので挨拶。昨夜は深夜2時過ぎに帰ってきたそうだ。40半ば過ぎのように見えるが元気な人だ。コーヒーを入れてくれたので3人で飲んで、近所を少し散歩してから車で駅に向かう。MROさんの大学の同級生で、今はアムステルダムのインテリアデザイン会社で働いているJUNさんを駅で迎える。車中で色々話をしながら田舎道を進み、ゲント南西の田舎にあるJuliaan Lampensという建築家の教会Kapel Onze-Lieve-Vrouwへ。

コンクリート打ちっぱなしの格好良い建築だが、建築家が意図してやったことなのか分からないが施工がメチャ荒い。コンクリがきちんとカストされておらず、鉄筋が所々で剝き出しており、当然ながら耐久性に問題が出ているようで鉄骨のサポートが全体に入っていた。元の空間は素晴らしいものだと分かるだけに、このサポートに美的な配慮が一切ないのが大変残念。

Juliaan Lampensはまだ健在の建築家だが、同僚に教えて貰うまで全く知らなかった。どうやら日本のa+uが昔に特集号を出しているようなので探してみたい。

教会近くのカフェでお茶してから車に乗り込み、一時間ほど東へ走る。Waasmunsterという街で高速を降りてすぐのところにある駐車場に車を停め、鳥の声と緑の美しい道を10分ほど歩く。

高速のすぐ傍とは思えない静かな森の中に修道院Monastery Roosenberg Waasmunsterは佇んでいる。昨日みたVaalsの修道院と同じHans van der Laanの設計だが、Vaalsが男性専用の修道院であったのに対し、こちらは女性専用。建築の要素自体は同じなのだが、その組み合わせ方がやや小さめで優しく、女性的な印象がある。同じ要素でもプロポーションの僅かな操作だけで空間が男性的になったり女性的になったりするというのを実際に分かりやすい形で体験できたのは貴重だった。実に不思議だが、上手いなーと思う。

案内してくれた70歳くらいの女性はこの修道院で既に30年以上を過ごしているらしいが、「ここでの生活は本当に美しいのよ」と実に幸せそうに笑っていた。心の平安を持っている人というのはこんなに笑顔が素敵なものかと思った。ちなみにMROさんが昨日訪れたVaalsの写真を見せると、「あなたここ入ったの?」とすごく驚いていた。Vaalsの修道院は男性専用なので、どうやら本来は女性を入れてはいけなかったようだ。でも僕達が訪れた時にドアを空けてくれた方は「どうぞ自由に観て行ってください」って言ってくれたので、人によるのかもしれない。僕も女性専用の修道院を見学してるわけだし。

まだお昼を食べてなかったので、近くの街で食事をできるところを探すもなかなか見つからない。銀行でお金を下ろしていた人に「このへんレストランない?」と聞くと、この辺はないけど案内してあげるから付いて来なさいと言ってくれる。車で彼女の後をついて行くと素敵なレストランへ案内してくれた。ちょっと予定より高めのランチだったけど美味しかった。

食後はGhentへ戻り、市内を散策。素晴らしい天気で気持ち良い。小さいけれどお洒落な店も多いし、雰囲気のある良い街だ。

夕食はゲントの郷土料理Waterzooi(鶏肉のホワイトシチュー)と再びムール貝を頂く。シチューは予想と違い、とても優しい味だった。ゲントの家庭料理って感じで美味しいです。

カフェでお茶し、発表されたサッカー日本代表メンバーについて議論したりしつつ、夜の街を散歩して帰宅。

大家さんはすでに寝ているぽかったので、ビールを呑みながら小声で話してから深夜に就寝。