ベルギー旅行 1日目

16日(金)
朝5時半に起床。6時の地下鉄始発に乗ってSt Pancras駅へ。パンと水を買ってからEurostarに乗り込む。早朝なのに長い行列で焦ったが、最終的には問題なく乗車できた。社内でうとうとしていたら2時間ほどでBrusselに到着。そこから普通列車に乗り換え一時間の予定だったが、電車が遅れたのか1時間半ほどかかってLiegeへ到着。待ち合わせに遅れてしまい心配したが、待っていてくれたMROさんと無事に合流。まずはカラトラバの駅舎を堪能。とにかくフワッとするような開放感に溢れている。ダイナミックかつ繊細で、素晴らしい建築だと思った。

そこからレンタカーを借りるために空港へ向かう。バスがちょうど行ってしまっていたのでタクシーで向かったが、乗る前にうっかり料金を聞き忘れたら、わずか10分のドライブなのに30ユーロを請求される。イギリスではこういうあからさまなぼったくりをされたことは一度もないのだがなぁ。とりあえず空港に着いたが、人は閑散としており、予約していたはずのEuropcarのデスクも無人。ベルギー語(?)で書かれた書置きがあるが当然僕は読めない。近くの人に聞いたら、デスクの机の電話を使えと言われる。番号も分からないが受話器を持ち上げると勝手に彼らの会社に繋がった。迎えの人を寄越すとのことなのでベンチで20分ほど待っていると、Europcarの鍵を持った筋肉質な兄ちゃん2人がやってくる。フランス語しか喋れないようだが、とりあえず彼らの車へ乗り込む。5分ほどのドライブかと思いきや、車は高速を15分以上走っていく。これはいよいよ誘拐されたのじゃないかと思ったころに、町外れにあるレンタカー会社の拠点に到着。ようやくちゃんと英語が通じる人がいてほっとする。彼らのシステムの欠陥で予約に不備があったらしく、僕の予約した小さなオートマ車はないとのことで、無償でグレードアップしてくれてVW Golfのオートマ車になった。予約してないのにナビも内蔵されており嬉しい誤算。以前スイスで車を借りた際は、ディーゼルのマニュアルの逆車線の山道という4重苦で何度も事故りかけた嫌な思い出があり大変警戒をしていたが、今回はオートマだし平地の田舎道を回る旅だったこともあり、一度も危ない場面はなく美しい景色を楽しみながら快適なドライブができて気持ちよかった。

Liege車で小一時間ほど走り、オランダ国境を入って少し行ったあたりの田舎の林の中にあるAbdij Sint-Benedictusberg (Vaalsの修道院)へ。Dom Hans van der Laan の代表作。建築家の父を持つ彼はデルフト工科大学で建築を学んだが、卒業後に僧侶になることを決意する。修行の後に僧となった彼は、1968年からは自ら設計したこの修道院で生活し、祈りの日々の余暇にいくつかの宗教施設を設計し、1991年にこの地で亡くなったようだ。今でも実際に現役の修道院として機能しており、玄関で対応してくれたのも黒いローブを着た僧侶の方だった。

経歴を見ただけでも分かると思うが、こんな人が造る建築が良くないはずがない。特にメインの礼拝堂に入ったときは、しばらく言葉を失ってしまった。とても厳格なのだが、同時にひどく暖かく、親密な雰囲気のある空間だった。一々細かいことを書いて行くとキリがないので写真だけいくつかあげておく。

見学を終えて、感動覚めやらぬなか近くの小さな町のカフェで遅めのお昼。ジモッティーばかりの店だけあって、予想よりもお洒落で美味しいお茶だった。

そこから車で2時間ちょっとドライブし、Ghent郊外のお宅へ。Airbnbで予約した今回の宿だ。大家さんは今晩は友人のパーティーで家にいないので、鍵をかくしておくから勝手に開けて入れと連絡を受けており、指示された場所にあった鍵を使って家にはいるとメチャ綺麗で驚いた。モデルルームのようだ。

荷物を置いてからゲント市内へ車で出かけてみる。小さいながら古い町並みが綺麗に保存されており、可愛らしい街だった。川沿いのレストランでムール貝を食べる。

食後に夜の街を少し散歩し、店でビールと水などを買って帰宅。家でビールを一本飲みながら色々話して25時半就寝。