充実の週末

2月13日(金)
19時にあがりKings Cross近くのレストランTEDへ。ヤナギ姉さんの誕生日を祝って10人で食事。はじめて来たレストランだけどなかなか良かった。

食後はいつものパブParcel Yardで月例の飲み会。建築関係だけじゃなくアート系など新しい人が何人もいて、皆と話ができなかったのが少し残念。例のごとくパブの外で最後の記念撮影をしたが、よく見たら端のほうに完全に知らない外人が混ざっている。

2月14日(土)
朝9時頃起床。昨夜ボチボチお酒を飲んだのでちょっとダルい。13時にプリムローズヒルのイタリア料理RESTAURANT Jへ。小さいが天窓があって気持ち良いレストランでTakさんとTKSGさんと食事。初対面のTKSGさんはチェルシー大学でテキスタイルを勉強している一年生。どのような作品をどうやって作っているのか、将来の仕事のことなども色々話す。

16時半に解散し、彼女に薦められたサーペンタイン・ギャラリーの展示を見に行ってみる。
Julio Le Parcというアルゼンチン生まれの芸術家で、Op artとkinetic artのパイオニアの一人のようだ。恥ずかしながら全く知らなかったが、単純な装置から生まれる光と影の幻影で客を魅了する素晴らしい展示だった。


大満足で会場を後にし、Takさんと一緒にNagomiで水炊きを食す。旨し。

2月15日(日)
朝8時15分にVictoriaのスタバに集合し、9時発のバスでBicester Villageへ。高級ブランドが並ぶロンドン郊外の有名なアウトレット。丁度冬物が入れ替わるシーズンだからかもしれないが、ほぼ全商品が3−5割引になっている。Polo、Hackett、Smythson、Penhaligons、Zwillingなどで買い物。

僕の欧州生活の大きな悩みの一つは服のサイズがないことなのだが(Sでも大きすぎる)、ついに解決法を発見。子供用のLサイズがぴったりなのだ。4,5歳児に試着させるお父さん達に混じって「甥っ子へのお土産はどれがいいかな」という風を装いながら物色し、人目を憚りながらこっそり試着している31歳。背に腹は変えられん。Burberryのコート(14歳児用)を買おうか悩んだが結局見送った。BurberryはHackneyにもFactory Shopがあるようなので今度行ってみよう。もちろん見るのは子供用品だ。

簡単に昼食を摂ってからTaxiを使って30分ほどのところにある世界遺産BLENHEIM PALACEへ。戦時中の首相ウィンストン・チャーチルが生まれ育った城だ。王室や国も持ち物でなく、個人所有の城として唯一「Palace」という称号を許されている建物だけあって、非常に豪華で優雅な邸宅だった。短命に終ったイングリッシュ・バロック様式の建物で、建築家Sir John Vanbrughの代表作の一つとされているが、どうやら彼はクライアントと大変な喧嘩をしていたようだ。

城の持ち主は初代Marlborough公爵John Churchillなのだが、将軍であった彼は戦争の為しばしば居城を留守にしたので実質的なクライアントは彼の奥さんになっていた。この奥さんが当時としては珍しい倹約家で、無駄な装飾を省いた居住性の高い邸宅を希望した。すべてが装飾で成り立っているようなバロック様式の最高傑作を作ろうとした建築家Vanbrughとは当然のごとく大喧嘩になり、最終的にVanbrughは仕事から外されてしまった。結局建物は彼の元同僚の監修のもと完成したが、完成記念式典に参加しようとしたVanbrughは敷地にすら足を踏み入れることを禁じられてしまったようだ。

そんな悲しい歴史もあるようだが、今となってはすべてが美しいクリーム色の石の下に埋もれてしまっている。

屋敷の中ではたまたまAi Wei Weiの展示が行われており、各室に彼のアイロニカルな作品が紛れ込んでいる。アンティークな壷にCoca Colaと書いてあるだけでも面白いが、よく見ると左はCao ni ma。広東語で"fuck your mom"という意味らしい。

メインホールにある巨大シャンデリアは普通に綺麗だった。彼は政治的な作品だけでなく、時折こういう普通に良いモノを作るから見ていて楽しい。