かけつぎ

26日(月)
20時まで仕事し、そのあと個人的な作業。22時ごろ帰宅、昨夜作ったエビチリとショーゴから貰った博多の明太子を食す。うまし。

27日(火)
朝から家の外で戦争でも起こったのかという大騒音がしていたのだが、どうやら木の散髪をしていたようだ。一人が木に登って長くなった枝をチェーンソーで切り落とし、地上に落ちた枝をもう一人が粉砕機に入れてチップにして、そのままトラックの荷台に流し入れている。なかなかよくできた連係プレーだ。ご苦労様です。

朝から模型の続き。今やっているのはオフィスの改修のためのFeasibility Studyで、改修・増築・解体→建て替えなど色々な可能性を試し、商業的、景観的、建築的(美的)にみてどれが一番いいかを探るものだ。改修案は一応目処がついたので、夕方から建て替えの案を考える。少し方向性が見えたあたりで帰宅。

家でご飯を食べながら名古屋のかけつぎ職人・松本孝夫さんのドキュメントを見る。痛んで穴が開いた洋服を綺麗に修復する職人だが、素晴らしい仕事だった。やはりプロフェッショナルって格好良いなぁ。

stay on track an' never look back

月曜の昼に突然新しい仕事を振られ、ボスと一緒にサザークの敷地へ。クライアントは二階建ての小さなオフィスを取り壊し、地上5階地下一階のオフィス+住宅を建てたいのだが、他の建築家がすでに過去4年に渡って3回プランニングを出しており、何度申請を出してもプランニング(景観審査のようなもの)で却下されている。この過去の案を調べてみたが、たしかにこりゃ落とされるわという感じ。コンテクストをフォローしてもいなければ、現代的なコンセプトもない残念な案ばかり。

このクライアントは、プランニングを何度出しても落とされるのでプランニング・コンサルタント(景観審査のアドバイザー)を雇うことにしたのだが、これが僕達がよく一緒に仕事をするアドバイザーなのだ。彼らが「この(落とされ続けている案を作っている)建築家に頼み続けるよりも、僕達がよく一緒に仕事する建築家が良い提案をするから、ためしに彼らにスケッチを描いてもらったら?」と僕達をクライアントに推薦してくれた次第なのだ。

とはいえ僕たちに与えられた時間は一週間とのことなので、初日から連日遅くまで頑張って仕事。限られた時間の中で全てをクラックするのは無理なので、まずは敷地の特徴を生かし、周辺環境を引用しつつ現代的に解釈したコンセプトを作り、それを純粋に表現する模型とイメージを作成。あとは商業的に成り立っていることを示す為に、ハウジングスタンダードに沿った各室面積を全て満たす基準階だけきちんと描いておいた。

予定より早く金曜の朝にミーティングとなったが、クライアントは気に入ってくれたようなので一安心。あとは設計料などの問題だが、これはボスの仕事なのでとりあえず僕の仕事は終了。続けれたらいいのだけどなー。

ひと段落したので金曜の昼からは中国の仕事に戻ろうかと思ってたら、また違うロンドンの仕事を振られ、バターシーの敷地へ。周辺を歩いてから公園をふらつく。ここ数日えらい寒いなーと思ってたが、公園の湖も完全に氷結して鳥が立っていて驚いた。

お昼は10年前にこの辺に事務所を構えていたボスお勧めのCapitan Corettiへ。非常にローカルな感じのお店でとても良かったが、常連ばかりのようでちょっと肩身が狭かったなぁ。


1月24日(土)
昼12時半からグローブ座のレストランThe Swanへ。アラヤ夫妻とミカさんと僕でランチ。初めて来た店だが、食事もなかなか美味しいし、2階からはテムズ川が一望できてとても良かった。

(画像はサイトより拝借)

14時半からThe Changelingという演劇を鑑賞。しかし数百年前に作られた演劇なので言葉が難しい。粗筋は少しは分かるものの、正直セリフの20%も理解できなかった・・・。でも会場のThe Sam Wanamaker Playhouseは空間的に面白かった。とても小さくて可愛いし、照明が本物の蝋燭なのだ。

(画像はサイトより拝借)

夜はTakさん、ショーゴとリカさんが合流してセンターのFABRIZIOディナー。相変わらず美味しい。

1月25日(日)
朝10時からFinsbury Parkにてテニス。10人くらいいた気がする。僕は相変わらず下手だが、でも少しは打てるようになってきたかも。3時間ほど打ち続けクタクタになる。Kings Crossに移動しランチを食べ、NHYNGさんの会社を見学させていただき、パブでサッカーを観戦してから帰宅。ヘロヘロで23時くらいに就寝。なんか充実の週末だった。

平日の仕事は相変わらず模型製作。水曜はボスと一緒に就職希望者の面接をしたけど、ちょっとイマイチだったな。ポートフォリオは綺麗なのだけど、あまりプロジェクトが面白くない。僕達は一応プロなので表面上だけ綺麗に繕っても中身がないとすぐ分かる。人間的には誠実そうなのだけど、もうちょっと強い人が欲しいので見送ることに。

あと去年チューリッヒに作った小さな喫煙所がWallpaperという雑誌に掲載されたので、木曜の夜にWallpaper主催のパーティーに行ってきた。2平米の小さな物件だけど、面白がってくれる人がいるというのはありがたいことですね。日本でも現在販売中だと思うので、もし店頭で見かけることがあれば手にとってみてください。

金曜の夜はKings Crossの飲み会。今までは建築関係者ばかりだったけど、今回から少し範囲を広げてデザイン・クリエイティブ全般の人との交流会にするとのことなので、先日知り合ったHenry Pooleでスーツを作っている平野さんを誘って一緒に行ってみる。彼は相変わらず素敵なスーツをビシッと着こなしており、スーツ作りの話しを聞いていると試着させてくれた。タイトな服は大抵肩周りが張るのだが、彼のスーツは驚くほど肩が軽い。肩布を限界まで強くするなど色々細かいテクニックがあるようだ。いずれは一着彼に作って貰いたいなぁ。20時に着いたときは全部で5人ほどの小さな集まりだったけど、時間がたつほど増えて最後は30人近くになっていたと思う。

家にテレビがないので基本的にニュースはみていないのだけど、ここ最近嫌な話を色々聞いて少し気が滅入る。

フランスの風刺週刊誌が襲撃されたけど、あれはなかなか根の深い問題だと思う。表現の自由という話だけでなく、人種や宗教、文化の違いにも触れる問題だから。もともと欧州では何百年も前から風刺画の文化が根強く発展しており、この雑誌だってイスラムだけでなくキリスト教にも痛烈な風刺画を描いているようだ。教皇がコンドームを持ってる絵とかね(カソリックは建前上は避妊を悪だとしている)。社会が抱える様々な問題を笑いに昇華することで、ある種の救いにしてしまおうというのが風刺のコンセプトだろう。

まあとはいえ、当たり前のように使われている「表現の自由」というのはそもそも西洋世界が勝手に作って信じているだけで、イスラム世界には存在しない。むしろ彼らにとっては「ムハンマドを描いてはいけない」というのが絶対的な信念なわけだ。これでは平行線を辿り、宗教戦争の様相を呈するのは仕方ないことだろう。

僕がどちらが正しいのかは分からないし、そもそも結論などはないのだろうけど、とりあえず映画の台詞が思い浮かぶ。

「人を殺すのは間違っている。そこにどのような理由があろうとも」
(デッドマン・ウォーキング)

テニス

平日は模型の続き。ボスより「エッジをもっと白くしたい」などと色々細かい注文もくるのでそれに対処していると大幅に当初予定より遅れているが、ボス自身が指示しているので問題はないだろう。模型は大好きなので、僕としては模型の時間が長くなるのは嬉しい。

1月10日(土)
朝は部屋の掃除をして、14時よりIslington Sports Centreのテニスコートへ向かう。徒歩で20分くらいのはずが、道に迷って気がついたら真逆のカムデンにいた。急いで戻ったが30分近く遅れて到着。Rikaさん、Risaちゃん、アラヤさん、ケイゴくん、初対面のチホさんと2時間ほどテニス。ここはうちから一番近い上、少し値段が高いけど夜でも照明がつくし、更衣室やシャワーがついていて施設がしっかりしていた。

運動した後は近くのパブでビール。1時間半くらいゆっくりしてからEuston近くの激辛中華chilli cool restaurantへ。休みを終えて日本に帰るクボCの送別会。相変わらず汗ダラダラになる辛さだったけど、実に旨い。そこからセンターに移動し、Oxford circusのバーでマキコさんとヤナギさんと合流し更に一杯。また夏に会いましょうとクボCと握手して23時ごろ解散。

1月11日(日)
朝は珍しく快晴で気分が良い。久々に自転車に乗って13時にFinsbury Parkへ。うちから自転車で15分くらいだった。公園内のテニス場でRisaさん、Rikaさんとテニス。楽しいけれど、僕がヘタッピなので練習の邪魔しているような気がしてしまう。壁打ちの練習が出来る場所があれば良いのだが・・・。15時すぎに解散。慣れない道なので帰りに少し迷うがなんとか無事帰宅。連日運動したのでクタクタになり、帰って昼寝。20時ごろに起きて夕食。

1月12日(月)
昼から社内ミーティング。会社全体のプロジェクトの進行状況を各自説明したり冗談を言ったり。知名度もない小さな事務所が、世界各地で色々なプロジェクトを進めている状況ってのはわりと珍しいのではないかと思うが、ボスは「もっとアクティブに自分のやりたいことを進めないといけないんだけど・・・」と悩んでいる様子。僕達の仕事は与えられた仕事をきっちり仕上げるのが基本ではあるが、たしかにそれだけだと建築がただの生業になってしまう。農家の用語では生活の為に作物を育て、収穫する行為を「生業」と呼び、将来の為に新たな畑を開墾することを「仕事」と呼ぶらしい。たしかに、飯を食う為、金儲けの為だけに設計するようになったら将来の展開はないだろうな。人から貰う仕事ではなく、社内で自主的に進めようとしている面白いプロジェクトがいくつかあるので、それが発展できたら良いのだが。

あとFが2月末で退社するということが公にアナウンスされる。彼は自分の事務所を立ち上げるのだが、とはいえ今の仕事が片付くまでは週に2日くらいは会社に来ることになるので、すぐにお別れではない感じで一安心。

同僚のMにテニスシューズはどれがお勧めか聞くと、一緒に店に行こうと言ってくれたので終業後に一緒にお店に行ってみる。室内と室外用は全然違うことなどを聞き、セールになっていたアディダスの室外用シューズを購入。ラケットの種類やグリップの大きさ、ストリングの数や種類など、ラケットにも膨大な数があり、皆自分のスタイルにあわせてカスタマイズしていることを知る。やはりどこの世界も奥深いものだが、まあ僕はまだ素人なのでまずは貰ったラケットで練習してみよう。

The Theory of Everything

1月1日(木)
ヨーロッパではクリスマスがメインの連休だが、正月はさすがに祝日になっている。前日飲み過ぎたようで少し二日酔い。出かけようか迷いつつも結局家で過ごす。

1月2日(金)
出勤。模型の続き。

1月3日(土)
テニスの予定だったが生憎の雨で結局中止。残念。

1月4日(日)
夕方から話題の映画を観に行ってみる。実在する英国の物理学者Stephen Hawkingの半生を描く”The Theory of Everything”。

去年流行した冷水を被るアイス・バケット・チャレンジは筋萎縮性側索硬化症という難病の認知度を広げ支援しようという趣旨のものだが、ホーキングを襲ったのがまさにこの病気。21歳だった彼は「残り寿命は2年」と突然宣告されながらも研究を続け、幸い病の進行は弱まったものの、手足の自由はおろか声すらも失ってしまう。普通の人だったらもう全ての希望を失ってしまうと思うのだけど、彼は僅かに動く指先だけを使ってコンピューターに文字を打ち込み、研究を続けるどころか合成音声を使ってスピーチを行い、72歳になった今でも現役の教授として教壇に立ち続けている。浅識な僕は博士の研究成果自体はよく分からないのだが、単純に人間として尊敬するなぁ。

映画は若き天才科学者が突然襲う難病と葛藤を乗り越えていくキラキラした前半部分と、世界的な名声を得つつも病の進行とそれによる様々な問題に悩まされる静かな後半に分かれてホーキング博士の半生が描かれている。日本公開は3月のようだけど、機会があれば是非見てみて下さい。主演のエディ・レッドメインの演技が凄まじいです。

正月

12月26日(金)
クリスマス翌日はBoxing Dayという祝日。昼過ぎにアラヤさんのお宅に集まり鍋パーティー。森さんも来てくれる。山口に帰ったときに買って秘蔵していた獺祭を持っていくと、アラヤさんにどんどん注がれて完全に酔っ払う。意識朦朧としたなかTakさんと一緒にタクシーで帰宅。

12月27日(土)
帰国したジュン君からテニスのラケットを貰ったのでテニスに参加してみる。気温3度というクソ寒いなか6人ほど集まる。多分硬式をやるのは初めて。随分長いことスポーツをやっていないので、2時間程度で体がバキバキになったけど楽しかった。ちょびちょび参加したい。

12月28日(日)
外出しようかと思ったけど、全身筋肉中かつ風邪が治りきってないので家で過ごす。

12月29日(月)
出勤。僕一人。大きいスケールの模型を作り始める。

12月30日(火)
出勤。Fがイタリアから帰ってくる。模型の続き。終業後に買い物。クリスマスセールで街は大変な賑わい。

12月31日(水)
出勤。昼過ぎに退社し東ロンドンへ。Takさんが予約してくれたオリンピック会場のスイミングプールで年越し水泳。Takさん、アラヤ夫妻、ケイゴくん、そして日本から休暇で遊びに来たクボCと久々に再会。Zahaのプールはとても綺麗でダイナミックな良い建築だった。窓のはめ方とかにやはりムリは出ているし、照明の入れ方など色々と疑問に思う部分はあるけど、総合的にはとても完成度が高い建物だと思った。50mプールはやはり長く、二往復で限界になった。

夕方からHyde Parkに移動し、移動遊園地Winter Wonderlandへ。ムルドワインなど飲む。

夕食はイタリアン・レストランで年越しパスタ。相変わらず美味しい。アラヤさんが常連なのでよくレモンチェッロをサービスしてくれるのだが、今日は年末だということでかいつもにましてサービスで何杯も貰ってしまい、かなり酔っ払う。

食後はアラヤ邸に移動しカードゲーム。ウィンクキラーで負けた2人に年越しそばを作ってもらい、日付が変わる頃に食す。うまし。

今日は地下鉄が24時間動いているので地下鉄で深夜に帰宅。今年は色々とトラブルがあったので(笑)、来年は落ち着いた良い年になるといいなぁー

クリスマス

12月22日(月)
今週はホリデーの人ばかりで、出勤してきたのは僕とボスのみだがボスも昼過ぎに帰ってしまい、夕方には僕一人。20時前にOld StreetにあるJapanese BarのLifeへ。建築系では僕が一番乗りしてしまって、知らない人たちと少し話していたら主役のJunくんが登場。今日は新潟に帰る彼の送別会。徐々に顔見知りのメンバーもやってきてワイワイと楽しく過ごす。が、僕は飲みすぎて楽しくなりすぎ、後半の記憶がない。親切なRikaさんにタクシーで送ってもらったのを断片的に記憶している。またやってもた・・・。ジュン君も完璧に酔っ払って最後はダウンしていたようだ。でも楽しかったなー。佐渡島に遊びに行きたい。

12月23日(火)
完璧な二日酔い、だけでなく更に風邪がひどくなって身動きが取れない状態。後悔先に立たず。仕事を休んで夜まで寝る。

12月24日(水)
風邪はまだちょっと残っているが出勤。夕方に資料をまとめて提出し、連休に入る。アラヤさんがターキーを焼くというのでお呼ばれし、ケイゴ君と一緒にアラヤ邸でご馳走になる。とても美味しかった。ワインを飲みながら色々話して23時ごろ解散。バスで帰宅。

12月25日(日)
今日はクリスマスなので例のごとく交通機関は全て運休。僕は風邪を治すべく家でゆっくりするが、とても天気が良かったので2時間ほどHampstead Heathを散歩してくる。風は冷たいが空が澄んでいて気持ち良い日だった。